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2010年05月21日

パフォーマンスアート! イチ押し 目白押し


こんばんは。 パフォーマンスアーティストのmachi/です。←これが真実の生業、いつもは仮の姿。

5月21日から三日間開催の
霜田誠二パフォーマンスアートワークショップ
6月の 
NIPAF ’10(日本国際パフォーマンスアートフェスティバル)
のご案内です。




ワークショップのフライヤーに印刷された言葉。
「パフォーマンスアート」という分野を知っていますか?




そう、私=machi/ も知らなかった、
2004年までは。

2001年にアーティストとしてスタートし、けれど何かつきぬけきれない想いを抱えながら、

「ナマモノを。もっとナマモノを。」

と探してあるいていた私にとって、これ以上のナマモノはないと思える表現との出会いだった。
この表現分野を知ったとたん、私はパフォーマンスアートにぞっこん惚れてしまった。


アーティストが観客の目の前で直接自分の表現をし、
その行為を作品とよぶ。

時間がすぎてしまえば、何も残らない。

けれど、たしかに握るのだ。この手に。
何かが深く沈むのだ、この胸に。
それは私の血肉、骨となる。
あるいは全身をかけめぐる。

発表中でさえ、制作中である表現。
誰でも、いつでも、その場から、始めていくことができる表現。
私は、このナマモノ表現にいまだに惚れ続けている。

どんなに悲しくみすぼらしい私だとしても、
表現の現場に立つとき、私は自分の実存を賭けて、自分自身をあつく抱きしめる。
その目撃者は、私だけではない。





WSチラシ_vol2 3.jpg

霜田誠二パフォーマンスアートWS .pdf


ワークショップには、誰でも参加できます。
「パフォーマンスアート経験者だから有利」 とは一切ならないところが、
この表現分野の凄いところ。
いったい何がおきるのか?
興味津々の人も、本気の人も、どうぞお集まりください。部分受講OK。
世界に名のとどろく霜田さんからのレクチャーを大阪で直に受けられるなんて!! 
めっちゃお得です!!


また、22日(土)にはパフォーマンスアートのビデオ上映会
23日(日)にはビデオレクチャー、そして霜田誠二氏とWS受講生の発表会もあります。
これはぜひオススメ。他では観る機会のないものが観れます!


6月の NIPAF ’10
こちらは、世界からパフォーマンスアーティストがやってきます。


NIPAF '10 オモテ.pdf


NIPAG '10 ウラ.pdf


東京・大阪・長野での発表会とアーティストトーク、
長野でのセミナーなど、
6月7日(月)〜 18日(金)までパフォーマンスイベントが目白押し、押し、押し。

大阪公演は6月11日(金)12(土)13(日)の三日間
NAPプレ vol.2 出展作家でもある大橋範子さん、machi/ は12日(土)、NAP実行委員でもある鈴木文平さんは13日(日)に出演します。
お友達と、ご家族と、恋人と、あるいは一人で、あるいは大勢で、
ぜひおでかけ下さい。

海外へ渡航して観るよりも破格に安く、かつ内容の濃いパフォーマンスアートのフェスティバルを観る機会は、日本の現状ではなかなかありません。このNIPAFは絶好の機会です。
逃す手はないぞよ!

貴方のご来場、心よりお待ち申し上げます。
人生…… 変わるかも???


machi/




[霜田誠二パフォーマンス・アート・ワークショップ・イン大阪 第2弾]

○会期・会場
会期:5月21日(金)22日(土)23日(日)
会場: 西成プラザ(大阪市西成区太子1-4-3 太子中央ビル2F、地下鉄「動物 園前」7番出口、JR「新今宮駅」東口下車徒歩1分)





○開催時間・受講料
5月21日(金)受講料2,000円(学生1,800円)
 ■第1講:午後7時から午後9時半 講座&演習  

5月22日(土)受講料3,000円(学生2,500円)
 ■第2講 午前11時から午後2時 講座&演習 
 ■第3講 午後3時から午後5時半 演習

5月23日(日) 受講料3,000円(学生2,500円)+発表会出演費2,000円(学生1,800円)
 ■第4講 午前11時から午後2時 講座&演習
 ■第5講 午後3時から午後5時半 演習

 ■第6講 午後7時から午後9時半 発表会

★受講料:ワークショップ全受講の方は割引あり
一般10,000円を9,000円 学生8,600円を8,000円。
★一日単位の受講も可能。
講座では、映像による各国のパフォーマンスの紹介+トーク
演習では、各自がテーマに沿ってパフォーマンスを行っていきます。
発表会では、各自10−15分の作品を観客の前で発表します。

[公開イベント]
5月22日(土)
午後7時〜9時
会場:西成プラザ
◆ビデオ上映会「パフォーマンス・アートの直接哲学(フィロソフィー・ディ レクト)」 解説:霜田誠二
上映作品(時間の都合上、部分上映になります)
1ジュリアン・ブレン(フランス)2ジョン・ジョルノ(アメリカ)3ラリー ・ミラー(アメリカ)「サム・フルクサス」4イシュトバン・カントール(カ ナダ)5エレーナ・テハーダ(コロンビア)6ミッシェル・ジロー(フラン ス)他
★入場料:一般1,200円、学生1,000円(予約200円引き)

5月23日(日)
会場:西成プラザ
◆第1部(午後7時〜午後7時30分):
霜田誠二ビデオ・レクチャー「第17回ニパフと、世界のパフォーマンス・アート」
◆第2部(午後7時40分から午後9時まで)
ライブ・パフォーマンス 出演:霜田誠二とワークショップ受講生全員
★入場料:一般1,800円、学生1,500円(予約200円引き)

受講申込、問合せ:E-mail: nipaf@avis.ne.jp、090-1652-9127

主催:日本国際パフォーマンス・アート・フェスティバル(ニパフ)実行委員会
協力:大阪市立大学都市研究プラザ、ココルーム



第17回日本国際パフォーマンス・アート・フェスティバル;ニパフ10
◆出演アーティスト
[海外]
1モニカ・ギュンター&ルイディ・シル(スイス、チューリッヒ、女&男、全カ所)
2ミラン・アダムチェック(スロバキア、ポドホリエ、男、全カ所)
3ネメーレ・ケレッシ(ルーマニア、トランシルバニア、男、全カ所)
4ムーヒェ(韓国、ソウル、女、全カ所)
5アブ・ナセール・ロビ(バングラデシュ、チタゴン、男、全カ所)
6ブ・ドゥック・トアン(ベトナム、ハノイ、男、全カ所)
7インデル・サリム(インド、デリー、男、全カ所)
8カロリーナ・カヌル・コエリョ(メキシコ、メリダ、女、全カ所)
9ラッケル・アロウホ(メキシコ、メリダ、女、東京のみ)
10サンウー(ミャンマー、ヤンゴン、男、全カ所)

[日本](出演地)
1霜田誠二(全カ所)、2黒田オサム(全カ所)、3大池公二(全カ所)、4 大橋範子(全カ所)、5広瀬真咲(全カ所)、6永井可那子(全カ所)、7尾 花藍子(全カ所)、8イシワタマリ(全カ所)、9正田ユミ子(東京、大 阪)、10倉田めば(東京、大阪)、11寺尾晴美(東京、長野)、12御須玲央奈 (東京、長野)、13犬飼美也妃(大阪、長野)、14鈴木文平(大阪、長野)、 15北澤一伯(東京)、16関谷泉(東京)、17門倉緑(東京)、18machi/(大 阪)、19竹中康宏(大阪)、20新井祥也(東京、大阪)、21手塚雄大(全カ 所)、22田中良典(東京)、23杉政なつみ(東京)、24新保奈未(東京)



★霜田誠二(1953年生れ)は、1970年から詩を書き始め、1975年にパフォーマ ンスを始め、1982年からは海外でも活動を始め、これまでに50カ国以上の数百 の国際フェスティバルに招待されている。1993年から開始したニパフを東西の 架け橋として機能させ、アジアにこの分野を普及させた功績は高く評価されて いる。最近はこの分野の教育者としても、各国で多くの実績を積んでいる。詩
人。ニパフ代表。武蔵野美術大学非常勤講師。香港アジア・アート・アーカイ ブ(A.A.A.)国際アドバイサー。マカオ美術館「中国行為芸術資料展」常任最 終選考者。2000年ニューヨーク・ベッシー賞(パフォーマンス・インスタレー ション・メディアアート部門)受賞者。




posted by 実行委員会 machi/ at 01:28| Comment(0) | アートに関する情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月20日

奈良アートプロム大阪説明会 報告!!


こんにちは。machi/です。
奈良アートプロム 大阪説明会、どんな人がやってくるのかな〜。 わくわくどきどきらんらん♪

5月15日(土) まるで真夏のような晴れ。
急ぎ足で歩いたら汗ばむような気温のなか、昼の部の会場、ボダイジュカフェをめざす。
駅から徒歩3分…のはずだが、
常に方向音痴機能全開の私は、しっかりと地図を見たにもかかわらず、
まったく違う方向へむかってがんがん歩いていて、その間違いに気づくまでが長かった。
あわててひきかえす。 
やっとのことでお店を発見!! こんなに駅から近かったとは!!! ちょっと遅刻。 ひえ〜 ><

中へ入ると、壁一面のイラストの企画展。
ボダイジュカフェさんのアートへの取り組みの姿勢、みるからに面白そう。



NAP大阪支部の田中冬一郎さんのお話が始まっていた。予約席にてこじんまりと濃く説明。
(余談ですが田中さんのお名前は【トウイチロウ】さんです。
machi/は今までずっと フユイチロウさんと呼んでました、失礼いたしました〜。 ここ、試験にでるからみなさんも覚えてくださいね。

席には初対面の作家さんや、NAPプレイベント vol.2 に出展しておられた作家、北中美佳さんもおられる。
おお!! 実行委員も奈良から駆けつけておるぞよ。 

まもなく、NAPの野村ヨシノリ代表も到着。
とたんに、今まで説明役をしておられた田中さんが質問役に豹変。
この質問がけっこう鋭いところをついていて、野村代表もたじたじ。


実行委員であろうがなかろうが、
知りたいことはちゃんと質問する。
今更ながらということでも、恥ずかしがらずに聞く。

(ここ、重要です。これ、単語帳に記入して暗記するように。)


さまざまな質問に対し、ひとつひとつ丁寧に答えていく野村代表。
NAPのスタンスを、まるで代表ご自身の胸にもう一度問うかのようなその作業、
大人がこれほど存在を賭けてとりくみたいことがこの世にあるなんてーーー!!!とひそかに感動。





では、とびだした質問のひとつと、その回答をご紹介しましょう。


作家 北中さんからのご質問
NAPグループ展は、奈良がテーマなのに
 NARAコテンパンダン展はなぜ奈良がテーマではないのですか?」


野村代表の説明
「NAPグループ展のテーマ 【ザ・great 盆地フロンティア】 は、奈良盆地という土地の意味だけではありません。
 居心地のいいところに浸かり続けることの閉塞感を、打ち破るということを含んでいます。
 そこでは奈良でありながら、今までの奈良には無かった力の出現が必要とされるのです。

 NARAコテンパンダン展では、奈良での個展会場を探すために、作家さんに町を歩いていただきたい。
 そのためにテーマは自由であっても、おのずと奈良とかかわらざるをえません。
 どちらの展覧会も、【奈良であることだけを意識するのではなく、かつ 奈良でやることの意味を見出すもの】 となるのです。」

うおおおおお!! かっこええぞ〜 NAP!

(ここは、マーカーでラインひいておくこと。何度も復唱してみましょう。)




私は昼の部しか参加できませんでしたが、
夜の部の会場 新聞女さんでも、かなり盛り上がった模様。

ギャラリーオーナーとか、大阪芸大の学生さんとか。
色々来られてましたよ〜 (田中さん談)



熱い人が集まってくれて、かなりテンションが上がった中で、説明しました。
特にコテンパンダン展に興味が集中し、これがきっかけで奈良に多くの人達が大阪からやって来てくれればと思います。(野村代表談)




奈良アートプロム大阪説明会は、また新たな出会いとつながりをうんだようです。
当日ご参加いただいた方、誠にありがとうございました。
企画をしてくださった田中さん、実行委員のみなさん、お疲れ様でした。



この日は、NAPプレ vol.2 出展作家の
山田七菜子さんの個展
擬態美術協会さんの個展 もちょうど大阪でありました。
擬態さんの個展会場では、こちらも NAP プレvol.2出展作家 大橋範子さんのパフォーマンスもありました。
NAPプレ vol.2 に参加した作家さんの表現があちらこちらでスパークし、
その二会場をどちらも観て、NAP大阪説明会にも参加した一日。
濃厚な味わいの残る有意義な時間でした。
アート三昧。  美味、美味。
これだからアートはやめられません。
おいしいものに一度出会ってしまうと、その次も もっと求めたくなるのが人の常。


さあ、みなさま
一緒にNAPを味わう準備はできましたか?
ひきつづき ボランティアさん 大、大、大募集中です。
いつからでも どんなことからでも NAPにかかわってくださいませ。
刺激と、美味なる想いが 貴方の御参加をお待ちしています。

(だいじょうぶ、今回のピンポイント指導で NAP初心者でも、きっとすぐに NAP上級資格まちがいなし!!
 恐れずにとびこんでみてください。しんどいこともあるけど たのしーよー!!)


NAP予備校 非常勤講師  machi/



posted by 実行委員会 machi/ at 03:16| Comment(0) | 奈良アートプロムについて | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月16日

〔1300年の記憶〕かつて塔があった(後編)

(まず前編をお読みください)

 中村ケイタロウです。
 奈良市の旧市街に残る、古い塔の跡をたずねて歩きました。
 それにはもちろん理由があります。

 奈良というと、どうしても、1300年間変わらないものに注目が集まってしまいます。
 しかし、奈良時代が終わってから1200年余りの長い間、奈良の歴史は時を刻み続け、新たなものが生まれ、古い物が消えてゆく、激しい変化のプロセスが続いてきたのも確かなのです。
 だから僕は、「失われたもの」に目を向けてみようと考えました。
「塔」は、非常にシンボリックな建築物です。多くの塔が、何かを象徴しています。
 では、失われた象徴は、何を象徴するのでしょうか。






◆春日西塔跡


大きな地図で見る

 奈良国立博物館の敷地に、二つの塔の跡が並んで残っています。
 春日東塔と、春日西塔です。
 どちらの塔も、高さおよそ50メートルで、興福寺五重塔とほぼ同じ規模だったそうです。
 以前ご紹介した、南市町自治会所蔵の春日宮曼荼羅図にも、そのいちばん下の左側に、二つの塔が仲良く並んでいる様子が描かれています。一の鳥居をくぐった内側にありますから、春日社の境内にあったことがわかります。
 神社の境内に五重塔なんて、現代の僕たちから見れば少々奇妙ですが、神仏習合が当たり前だった中世には不思議でもなかったのでしょう。
 明治の廃仏にいたるまで、春日大社と興福寺は、長らく一体でした。
 
 二つのうち、先に建てられたのは西塔でした。
 1116年に関白・藤原忠実によって建てられたため「殿下の御塔」と呼ばれた塔は、1180年の兵火でいちど焼けた後再建され、1411年に落雷で焼失するまでこの地にありました。

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 国立博物館の建物の南側に、基壇と礎石が残っています。









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 塔は、高さそのものを主眼として建てられたものでなければならない。
 土地の効率的な利用を目的としたものは、「塔」ではなく、「ビルディング」です。
 
 東京タワーが「塔」であるとしたら、それが電波塔だからでしょう。電波塔にとって、高いことは、その機能において、本質的に重要ですから。

 宗教的な塔も、そうです。寺院の仏塔や、教会の鐘楼や、モスクのミナレットが「塔」であるのは、その高さが神や仏の聖性を象徴し、宗教の権威を示すからでしょう。

 バベルの塔は?

 ただひたすらに高さだけのために高いバベルの塔こそ、最も純粋な塔であると言えるかもしれません。









◆春日東塔
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「殿下の御塔」と呼ばれた西塔に対して、二十四年後に鳥羽上皇によって建てられた東塔は「院の御塔」と呼ばれました。
 二つの塔はともに1180年の兵火にかかり、再建。
 そして二百数十年後、落雷による火災で灰になりました。

 博物館の明治建築と、木立と、芝生と、獣たち。奈良が積み重ねてきた分厚い時間の層の上に、静かな調和が生まれています。

 ここに再び塔を建てて欲しいとは、僕は願いません。







 全地は一の言語一の音のみなりき
 茲に人衆東に移りてシナルの地に平野を得て其處に居住り
 彼等互に言けるは去來甎石を作り之を善く爇んと遂に石の代に甎石を獲灰沙の代に石漆を獲たり
 又曰けるは去來邑と塔とを建て其塔の頂を天にいたらしめん斯して我等名を揚て全地の表面に散ることを免れんと
 ヱホバ降臨りて彼人衆の建る邑と塔とを觀たまへり
 ヱホバ言たまひけるは視よ民は一にして皆一の言語を用ふ今旣に此を爲し始めたり然ば凡て其爲んと圖維る事は禁止め得られざるべし
 去來我等降り彼處にて彼等の言語を淆し互に言語を通ずることを得ざらしめんと
 ヱホバ遂に彼等を彼處より全地の表面に散したまひければ彼等邑を建ることを罷たり
 是故に其名はバベル(淆亂)と呼ばる是はヱホバ彼處に全地の言語を淆したまひしに由てなり彼處よりヱホバ彼等を全地の表に散したまへり

(『旧約聖書』創世記)


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 聖書などの神話は、人間のさまざまな心の動きや行動を、シンプルな原型として私たちに示してくれます。
 バベルの塔は、人間の偉大さを示すものとして建てられようとしました。
 神が人々の言語をバラバラにすることによって塔の建設を阻止した、という聖書の物語は、とても示唆的です。
 言語は人間の理性の表現であり、組織的な協調を可能にするものです。他の動物と人間とのちがいを示す、人間性そのもののあらわれだと言えます。

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 人類の歴史をかえりみると、メソポタミア文明やマヤ文明の人々が競って建てたピラミッドをはじめとして、エッフェル塔や、東京スカイツリーに至るまで、塔には常に、技術や権力や経済力を誇示するものという側面がありました。

 地球の重力やら、エネルギー保存の法則やら(よく分からんけど)を考えると、垂直方向に建造物を立ち上げていくことは、人間の理性と手業によって、自然の法則に抗うことだといえます。

「塔」は、人間の理性、人間の文明そのものの形象化なのです。

 だから、たとえ、教会の鐘楼や仏塔のように、宗教的なシンボルとしての塔であっても、塔を建設する人間の行為そのものは、その本質において、天に逆らうことであり、結果的に、天に唾することであるといえるのではないでしょうか。

 高く積み上げられた位置エネルギーの賭け金。その支払いを、神々はいつか必ず迫ってきます。彼らには、永遠の時間と、エントロピーの増大という武器があります。
 だから、どんな塔も、いつか必ず崩れ落ちるのです。

20100516153012


 奈良の街のあちこちに残る、古い塔のあとは、日本で最初の文明を担ったこの都市が生きてきた、1300年の歴史そのものの痕跡です。
 その不在は、自然の法則に沿って消滅していった先人の営為の、その必然的なはかなさ故の輝かしさを、私たちに教えてくれます。

 失われた塔は、失われているからこそ、私たちの歴史そのものを象徴していると言えるのではないでしょうか。




【おわり】




 中村ケイタロウ

(『中村ケイタロウ・センター』http://home.att.ne.jp/blue/nakamu1973/index.html


posted by 実行委員会 中村ケイタロウ at 15:21| Comment(3) | 【連載】 1300年の記憶 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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